ようやく実現します。山本直樹さんの漫画を『官能教育』で採り上げることが。
ぽっかりのどかな空の下、個性のない町並みの一角で繰り広げられる、飽くことのない性の営み──。描かれた濃厚なセックスよりも、空白と執着、粘着と淡白の間にあるものを読み手に託す作者の姿勢こそが、なんとエロティックだろうと思い、『官能教育』にぴったりだと考えていたのです。
たくさんの名作がある中で、構成と演出を託した三浦直之さんは、短編『この町にはあまり行くところがない』を選びました。女子高生と中年男性、ふたりのプレイに巻き込まれる男子高校生の、ほぼ半日の話です。
三浦さんは、再演もしてもらった名作『鼠』で、『官能教育』の歴史を輝かしいものにしてくれたひとりです。母への思慕を変態チックに切り取って自ら演じ、観た人を驚かせ、感動させたあの作品から、さらに深く踏み込んだ性の描写を見せてくれると思います。
どうぞご期待ください。
produce lub 89 責任者 徳永京子