『官能教育』再演シリーズ第2弾
 糸井幸之介 ×『安寿と厨子王』

『官能教育』再演シリーズ第2弾<br /> 糸井幸之介 ×『安寿と厨子王』

再演シリーズ第2弾

糸井幸之介 ×『安寿と厨子王』

9月6日(土)19時30分〜&22時〜
9月7日(日)17時〜&19時30分〜

新世界(西麻布)


テキスト:『安寿と厨子王』

構成・演出・音楽・出演:糸井幸之介FUKAI PRODUCE羽衣

出演:井上みなみ青年団

振付:中林舞

弥勒菩薩のサディズム、再び。

どんな小説を題材にするか、そのセレクトも演出家にお任せするのが『官能教育』の基本ですが、これまでに3度、私から作品を指定したことがあります。藤田貴大さんに中勘助の「犬」、大谷能生さんに川端康成の「山の音」、そして糸井幸之介さんに「安寿と厨子王」でした。

「安寿と厨子王」がエロ? と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。過酷な運命に翻弄される姉弟の話に、多くの人は絵本で出合います。作者不詳、中世に生まれた説法節が元という物語は、森鴎外が「山椒大夫」というタイトルで小説にしていますが、これもエロとはまったく無縁です。

でも思わずにいられないのです。姉弟と違う船で連れ去られた母は、間違いなく女郎に売られたはずだと。最初は高貴な出の女として高く売られるも、やがて最下層の売女になったのではないか。成長して本来の身分を取り戻した厨子王が奇跡の再会を果たした時、母が盲目になっているのは、そうした因果によって罹った性病が原因ではなかったのかと。また、山椒大夫の屋敷で下働きをさせられていた安寿は、当然、大夫の慰みものになっていたでしょう。

そんな私見を、糸井さんは弥勒菩薩のような笑顔で静かに聞き、そして、とんでもない傑作をつくってくれました。母親のエピソードには触れなかったものの、自らが山椒大夫となり、安寿役の井上みなみさんを、やっぱり弥勒菩薩のような穏やかな顔でいじめ抜いたのです。
そして安寿が絶命する時に歌った歌を、今も私は忘れられません。糸井さんが作・演出・作詞・作曲するFUKAI PRODUCE羽衣の曲の数々はどれも、人がひとりで生まれてひとりで死んでいくという諦観が、慈しみの歌詞と明るいメロディで歌われます。その集大成がそのシーンの曲でした。中林舞さんが振り付けてくれた踊りも併せ、井上さんがそれを堂々と昇華していて、鳥肌が立ちました。
それがもう1度観たくて、もっともっと多くの方に観ていただきたくて、再演を決めました。

どうか『官能教育』、傑作中の傑作に足をお運びください。

Produce lab 89(プロデュースラボ・ハチジュウキュウ)責任者
徳永京子

僕は痛いのが大嫌いです。ちょっと頭が痛かったり、ちょっとお腹が痛かったりしただけで、なんにもする気がおきず部屋で寝ていたくなります。

血も苦手です。ちょっと擦りむいたり、包丁で指先をちょっと切っちゃったりしただけで、迷子の子どものように心細い気持ちになります。

他人の血も苦手です。特に小さな動物とか子どもとかお年寄りとか女性とか、自分よりか弱い存在の血は見たくありません。

自分でいうと馬鹿みたいですが、要するにすごく小心者でやさしいんだと思います。

しかし、そんな気持ちとは裏腹に、苦痛に歪む女性の顔というのはとても興奮するものです。

SとかMとかの高級な話しじゃなくて、かなり安易でトホホな男性的支配欲みたいのが、自分にあるんだと思います。

もちろん、僕は結局のところシティーボーイですから、プライベートはいたってジェントルでノーマルです。

それでもやっぱり、女性の唾を飲むよりは自分の唾を女性に飲ませたいと思うし、女性のおしっこを飲むよりは自分のおしっこを女性に飲ませたいと思う、平凡な男性的傾向があります。

そんな訳で、この官能教育「安寿と厨子王」では、昔話ですし、フィクションですし、お客様はお酒飲みながらですし、自分の平凡安易でトホホな男性的傾向をちょっとだけ発散してみたいと思います。

井上みなみさん、ごめんね。

糸井幸之介


-前回公演より-

再演シリーズ第2弾

糸井幸之介 ×『安寿と厨子王』

9月6日(土)19時30分〜&22時〜
9月7日(日)17時〜&19時30分〜

*計4ステージ
*開場は30分前

会場:新世界(西麻布)

料金:2,500円(全席自由)+ドリンク代

9月6日(土)のご予約

9月7日(日)のご予約

*『官能教育』第1弾にてセット券ご購入のお客様もこちらから
 【セット券購入者対象】チケットをお求め下さい。
*受付にてセット券ご購入時のお名前と注文番号を確認致します。


問い合わせ:Produce lab 89 ☎ 090-8308-4433